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Dec 15, 2007 

■アクセントは「ラブ」ではなく「ク」

 
1950年代から60年の日本映画を見ていると、よく出てくるのが「ナイトクラブ」のシーン。広いフロアに踊れる
ようなスペースがあって、ステージでは生バンドの演奏でセクシーな女性が踊っているみたいな。ピークは1960
年代前半までと思われるこのナイトクラブとは一体どんな場所だったのだろうと以前から興味があったのですよ。

ちなみに石原慎太郎さんの著述「わが人生の時の人々」によれば「・・・ナイトクラブという、ある選ばれた人種の
ための社交の場が大都会に登場し、音楽と踊りとショウと酒と料理という歓楽の取り合わせが、都会ならでは
のナイトライフの舞台となった。」とあります。

この本にもその名が登場するのが赤坂に実在した有名なナイトクラブ。実は私のビクター時代の事務所が赤坂
にあって、1980年代の頭にはあのホテル・ニュージャパンもまだ営業していたし、その敷地内にあったこのナイ
トクラブのネオンも確かに記憶にあるのですよ。

で、立て続けにその界隈のノンフィクションを寝る前に読んだら、その世界のディープなこと。表も裏を含めて日
本の戦後のパワーバランスの縮図を見たようで、眩暈を憶えるほどの濃密さでした。

ロバート・ホワイティングの「東京アンダーワールド」も面白かったです
が、これらの本は実際の現場にいた人が淡々と事実を語っているとい
う点で凄みがあります。

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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