■ジャックス
昔、中華街にジャックスというステーキレストランがありました。
私が初めてここへ行ったのは1980年代の終わりのこと。当時、私は中華街の近隣に場所に住んでいて、ジャッ
クスのような1950年代から存在した店にとても興味を持っていたのです。
薄暗い店内、何十年もかけて醸し出されたと思われる壁やテーブルの色や、肉の焼いているところが見える
広い厨房、懐かしいようなインテリア、クラシックな味付け、どれもが1950年代のオマージュやパロディとしてで
はなく、長い時を越えリアルタイムで存在していることがとても刺激的で、どんな最新スポットでもかなわない魅
力がありました。時にはまるで自分が昔の日本映画の中に入ってしまったかのような甘美な錯覚を覚えたもの
です。
1990年代に本牧間門に移転して現在も営業していますが、その場所も私が山下町の次に居を構えた場所の
近くで、妙な縁を感じたものです。
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＜＜中華街にあった時代のジャックス。
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