■上を向いて歩こう
先日、NHKで放送した「上を向いて歩こう〜日本人の希望の歌 その真実〜」はとても面白かったです。
「上を向いて歩こう」がアメリカで大ヒットする以前にイギリスでカバーされていたことは知っていましたが、ヨーロ
ッパでプロモーションしていて、フランス盤が出ていた話などは初耳でした。また、番組で中村八大さん自筆の
譜面がちらっと写っていましたが、あれ、ちゃんと見てみたいなぁ。
「上を向いて歩こう」の興味深い点は詞の字数より明らかに音数の多いメロディがついていることで、例えば
「向いて」の部分に「むういて」(1音多い)とか、「歩こう」の部分に「あるこううぉううぉううぉう」(3音多い)など、
そういうのを故意にやっている点です。これは詞が先にあって曲をつけていると考えられますが、普通なら詞の
字数を増やすところをそのままなんですよね。ここからはわたしの想像なのですが、これ洋楽的なコブシをやりた
かったんじゃないかと思うのですよ。坂本九さんはジミー・ジョーンズの'Good
Timing'をカバーしていますが、オリ
ジナルを聞くと、コブシがまわりまくっていて、こういうアメリカンポップスのニュアンスを入れたかったのではない
でしょうか。だって「歩こううぉううぉううぉう」のところに仮に「歩こう今日も」とか入れたらコブシにはならないもの
ね。
中村八大さんの他の作品で好きなのは「黄昏のビギン」。わたしはちあきなおみさんのバージョンでこの曲を知
ったのですが、元々は1959年にリリースされた曲。「上を向いて歩こう」とは四七抜きのAメロと、いきなり洋楽
的になるBメロなど共通点も多いのですが、「黄昏のビギン」の方が先のリリースです。
「上を向いて歩こう」の全米での大ヒットの後、全米での次のシングルが「支那の夜(China
Nights)」。その次が
「炭鉱節」。「支那の夜(China Nights)」はビルボードで58位までいったとのことです。
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アルバムもビルボードで14位までいったとのこと。
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