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■雪村いづみさんのこと 私が仕事をご一緒させていただいた方の中には、あの「エド・サリバン・ショー」(*)に出演されたことのある 方が3人おられます。ひとりは子供のころに聖歌隊として出演された山本達彦さん、もうひとりはブルーコメッツ 時代に出演された井上大輔(忠夫)さん、そして、雪村いづみさんです。 雪村さんが出演されたのはネットで調べたところによると、1963年3月10日で、「Lullaby of Birdland」を歌われ たそうです(ちなみにその一年後に出演したビートルズがこの番組が契機となりアメリカで大ブレークしたのは ご承知の通りです)。残念なことに、当時、私はまだおしめがとれたばかりだったので(笑)、この雰囲気をリア ルタイムで感じることはできなかったのですが、美空ひばりさん、江利チエミさんと「昭和の3人娘」と称される ほどの大スターであることには間違いないでしょう。 音楽的には雪村さんと言えば、前述の3人娘の中でも一番洋楽的な香りのする方で、キャラメル・ママとのコラ ボレーションで服部良一さんの作品をカバーをした「Super Generation」(1974年)などは今だに名盤としてたび たび音楽誌などにもとりあげられていますが、光栄なことに、雪村さんのデビュー40周年にあたる1994年の記 念アルバム「I'm a Singer」で曲を書かせていただくという機会がありました。 そして、アルバム完成のコンベンションが東芝EMI本社で行われたときに初めてご本人とお会いしたのです。 あういう方のお持ちになっている風格とか雰囲気は言葉で表せないぐらい特別なものです。まさに「One and Only」という感じで、なにかとてもありがたい気持ちになりました。私が言うのも僭越ですが、ウイットに富んで いて、女性らしい柔らかさも持っていて、同時に背筋がピンと伸びている毅然とした印象も受けるのです。ちな みに「エド・サリバン・ショー」の話を持ち出すと「あなた、おいくつ?」と突っ込まれました(笑)。
*エド・サリバン・ショー〜1948年から1971年まで全米CBS系で放映された「アメリカのテレビ史上最も有名な |
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