■東京のえくぼ
松林宗恵監督の最初期の作品「東京のえくぼ」(新東宝 1952年)を観ました。
松林監督といえば、重い戦争物から、コミカルな社長シリーズまで幅広い作品を作られた方ですが、この作品はコミカルかつロマンティックで軽快な印象。物語の展開が「ローマの休日」に似ていますが、こちらの方が1年早い映画です。
劇中に出てくるケーブルカーのような乗り物は渋谷に数年だけ運行していたアトラクションだそうで、それが記録されているのも貴重ということです。それにしても戦後からまだそう時間の経っていない時期に、このようなウィットに富んだ楽しい作品を撮れたとは、戦前から続く日本映画の奥深さと、当時の映画人の気概を感じる映画でありました。
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