■伊丹監督のキャスティング
先日、久々に伊丹十三監督の映画「タンポポ」(1985年)を観ていたら、冒頭の映画館のシーンで、スナックを食べていて役所広司さんに文句をつけられる男性の役が、この映画の音楽も担当した作曲家の村井邦彦さんだったのには驚いたのですが。
こんな洒落の効いたキャスティングだけではなく、伊丹監督の映画は、往年の俳優さんをさりげなく起用してる所に古い日本映画に対する愛情を感じるのです。例えば「タンポポ」には中村伸郎さん、「お葬式」(1984年)には笠智衆さん、藤原釜足さん、極め付けが吉川満子さん。いずれの俳優さんも日本映画黄金期の作品の常連でした。
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