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Jan 7,2016

■ミッキー・カーチスさんの本

 ッキー・カーチスさんの本を読了。私の認識ではミッキーさんは日本の音楽シーンのいわば第1世代の方。つまり、日本のポップス創世記の1950年代後期から1960年代前半のジャズ、カントリー、ロカビリー、ハワイアンから出てきた人が第1世代、1960年代後半のGS関連からの人々が第2世代、そして、1970年代前半、ニューミュージックというジャンルから出てきた人たちが第3世代。昨年のアルファミュージックライブに出演された方々を例に取るなら、ユーミンが第3世代、加橋かつみさんは第2世代、そして、ミッキーさんや雪村いづみさんが第1世代ということになります。

その第1世代で、活躍されている代表的存在がかまやつひろしさんとミッキーさん。かまやつさんの本にもありましたが、おふたりともに戦後の占領軍のためのバンドからキャリアを始めた方々なので、WVTR(後にFENになった占領軍放送)でいち早く本国のヒット曲をコピーした話や、駅前に米軍のトラックがついてそれに乗ってキャンプへ運ばれたことなど、似たようなエピソードが随所に出てきます。また、カントリーからロカビリーに行って、1960年代にバンドを組んで、1970年代頭にはアルファレーベル関連でプロデュースをするという点も非常によく似た経歴です。ミッキーさんがかまやつさんと違う点は、ミッキーさんの方が少々破天荒な感じがすることで、かまやつさんはある一線を決して越えない感じがするのですが、ミッキーさんはそれを超えないと気がすまない人という印象です。

ちょっと驚いたのは飯倉のキャンティでの話で、三島由紀夫の「美しい星」(1962年)は、ミッキーさんの話した話が元になっていると書かれていること。あの時代のキャンティは様々な文化人やアーティストの交流の場だったので、こんなミラクルも起きたのでしょう。

もうひとつ。子供の頃にテレビでよく聴いて、今でも歌えるほどよく覚えている「雨が降ってる日曜日〜」で始まる明星のインスタントラーメンのCMソング。あれはミッキーさんの作詞・作曲・歌でした。すごくおしゃれな名曲!

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