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 Mar 21,2018

■ワン・コードとワン・ノート

 世の中には色々な曲があるもので、ほとんどひとつのコードしか使っていない曲や、基本ひとつの音しか使わない曲もあります。

まず、ワン・コードの方から。ビートルズの'Tomorrow Never Knows'は確かにワン・コードですが、これはまあ、実験的な曲なので、もっと有名なシングル曲を。アレサ・フランクリンの'Chain Of Fools'。これは見事にワン・コードです。ファンク/ソウル系でこのパターンの曲はもっとありそうな気がします。有名なジェイムス・ブラウンのゲロッパ'Get Up(I Feel Like Being A)Sex Machine'もワン・コードではありませんが、お経のように同じギターのリフがずっと続く曲です。Aメロやサビ前までほぼワン・コードの曲なら、思いつくだけでもスペンサー・デイヴィス・グループの'Im A Man''、スティーヴィー・ワンダーの'Superstition'がそうです。

一方、'One Note Samba'という曲もあります。これはボサノヴァで有名なカルロス・ジョビンの作ですが、厳密に言えば、ワン・ノートではなく、サビ前まで2つの音で展開します。この曲の意図はおそらく同じ音の連続でもコードの付け方によってこれほど色彩感が変化するということだと思われ、ボサノヴァらしくテンション系の複雑なコードがせわしなく変化していきます。


 

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