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 Feb 18,2022

■モータウン映画

 ちょっと前に「メイキング・オブ・モータウン」というモータウン・レコードのドキュメント映画を観たのですが、マーヴィン・ゲイのバックでベースを弾くジェームス・ジェマーソンの動いている映像は初めて観ました。ジェマーソンはプレベのフェンスを付けたままネック側をワンフィンガーで弾いていて、右手の親指で弾かない弦をミュートしている様子もはっきりと分かりました。中指と薬指はフェンスの上に載せているのですが、固定しているのではなく弾く弦によってフェンス上を上下に移動しています。こんなベースの弾き方を見たのは初めてです。

スティーヴィー・ワンダーが13歳でビルボードの1位になっているのも初耳。これは今でもビルボードの最年少記録だそう。また、ニール・ヤングがモータウン・レコードにいたことがあって、ブラック・シンガーがするような振付けや動きのレクチャーを受けたという話も意外な話でした。ニール・ヤングとモータウンなんて一番接点のない感じなので。

実は私がモータウン系でちゃんと聴いていたのはスプリームスぐらいで、その他はヒットソングや、カバー曲として耳に入ってきたぐらいでした。そもそも、私にソウル系の発注が来ることもあまりなかったのですが、1980年代の現場でモータウンという言葉が出た時は「恋はあせらず」のあのリズムを表しているケースが多く、個人的にはフィラデルフィア系とひとまとめにしてソウルだと認識していたわけです。

ちなみに私が初めてモータウン風のアプローチをしたのはダイアナ・ロスに声が似ていた彩恵津子さんに書いた曲ではなかったかと記憶しています。今聴いてもこの人の声は魅力的ですが、この「ALL I NEED」(1985年)というアルバムは海外録音だったと思います。

(久々に「恋はあせらず」をyoutubeで聴いたら、モノミックスでAメロにベースが入っていないヴァージョンがあることを発見しました。それからドラムはクラッシュを一回も使っていません。これはソリッドでかっこいいです)



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