■伊勢佐木町のレトロビル
伊勢佐木町モールで一種独特なオーラを出し続けているレトロビル。写真では分からないと思いますが、地震や経年劣化で下になにかが落ちないように緑のネットがずいぶん前から全体にかけられています。
近隣のレトロビルといえば、モール入口のイセビルが1926年築、取り壊し予定の不二家横浜センター店が1937年築で、このビルも戦前ものかもしれません。戦後すぐの写真を見ると、窓の上下に庇のような構造物があったようですが、それはいつの時代かに取り払われたようです。そのために怪獣映画に登場するミニチュアのようにのっぺりした外観です。すごい点は1階に普通に店舗が入っていて営業していること。通り側は精力剤専門のドラッグ店とたばこ専門店。横の通り側にはひっそりと古書店の看板もあるのですが、ここは開いているのを見たことはなかったのです。ところが、先日、日曜日に見ると、なんと開いていて入りました。
店内は狭いのですが、天井が高く、本棚には背表紙の読みにくい文字をなんとか読んでも何の本か分からないようなガチ系の古書が並んでいます。店の半分は区切ったスペースを貸し出し、何かを売るレンタルスペースになっている様子。そのスペースでは細かいおもちゃとかガチャ系のものを売ってました。
ちなみにイセビルの地下にはカフェーとして営業していた時代の壁画が残っているそうで、このビルにもかつての栄華の痕跡がどこかに残っているのかもしれません。
伊勢佐木町も最近は新陳代謝の波に抗えず、老舗が店じまいをするというケースも少なくなくありません。消えてゆくのは映画館、古書店、レコード店などなど。松坂屋とかハマ楽器がなくなったあたりから潮目が変わったような気がします。先日も創業から150年という文具店が3月一杯で閉店するというので、記念にと万年筆用のインクを買い求めたら、なんと製造年が2017年でした。
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