■M.D.ガイスト
M.D.ガイストは1986年にセルビデオで発売されたアニメです。私は挿入歌「炎のバイオレンス」(Violence of the
Flame)と主題歌「非情のソルジャー」(Merciless
Soldier)の2曲を書きました。
当時、日本ではそれほど話題にならなかったこのアニメが、その過激なストーリーからアメリカで火が付き、1990年代にはディレクターズ・カット編や続編まで作られ、ビルボードのセルビデオチャートのトップ40にランクインしたことを私は最近まで知りませんでした。確かにyoutubeに上がっている関連の動画を観ると、再生回数は数十万で、コメントも外国語がほとんどです。
なぜ、M.D.ガイストがアメリカのマニアにここまで知名度が高いかということを説明している動画がyoutubeにあり、それによると以下の通り。1980年代に日本のアニメを一手に輸入しているU.S,
MANGA
Corpsというレーベルがあり、そのロゴマークにガイストが使われており、セルビデオの冒頭には必ずこのロゴが出てくるので、ファンが興味を持ったというのです。また、セルビデオという媒体ゆえに過激な表現も許され、そのあたりがコアなファンに受けたのかもしれません。
この挿入歌について、どのような経緯でコロムビアから私のところに曲発注が来たかは全く失念してしまいましたが、確か、詞が先に出来ていてそれに曲をつける詞先仕事だったと思います(アニメは詞先の仕事が多いのです)。私は詞先の場合は詞の一字一句、その通りに曲をつけるのではなく、曲の進行上、いくつかのメロディ部分を付け足し、そのメロディ部分の詞を新たに書いてもらうという作業をするのですが、この曲もそうしたと思います。詞は竜真知子さん、編曲は京田誠一さん、歌は影山ヒロノブさん(ちなみに京田さんは私がシンガーソングライターだった時代に、バックバンドのキーボードだったことがあります)。おそらく、曲の打ち合わせの時に絵コンテのようなものがあり、ハードな曲で行きましょうということになったのでしょう。
ちなみに影山さんとはこれが初仕事ではなく、同年の「宇宙船サジタリウス」というアニメの挿入歌でもご一緒しています。
|