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Oct 2, 2009 

■Rhodes 7 out now

 
2007年の楽器ショーでお目見えして以来、これは本当に市販されるのかなと思っていた新製品、Rhodes Mark7がついに日本で発売されました。輸入代理店は昔からRhodesの代理店だった山野楽器です。

Rhodesは1984年のMark5を最後に25年間、生産されていない楽器でした。その25年の間にサンプリングピアノ
の技術は進化し、コンディションの悪い本物よりもサンプリングのほうがそれらしい音がするという評価などもあ
ったぐらいだったので、まさかこの超アナログの構造を持つRhodesが復活するとは思っていませんでした。

Rhodes Mark7は61、73、88鍵盤の3タイプがあり、重量も34kg、37kg、47kgと昔に比べてかなり軽くなってい
ます。うちの倉庫に今でも眠っているMark2(Stage73keys)は64.5kgもありますから、かなりの軽量化ですね。
それぞれにS(Standard〜昔のStageに相当)、A(Active〜昔のSuitcaseの鍵盤部に相当)、AM(Active MIDI〜
AタイプのMIDI付き)があり、カラーは3色で、艶ありと艶なしが選べます。昔のSuitcaseのスピーカー部に相当
するプラットフォームは別売。価格は一番安い61keys、Sタイプの定価が\577,500で、昔の定番だった73keysの
Suitcase仕様を組むと、73keys、Aタイプが\777,000+500W SpeakerPlatformが\462,000の計\1,239,000と
いうことです。Rhodesは昔から安い楽器ではなかったので、時代推移を計算に入れるとまあ妥当な価格といえ
るでしょう。

で、銀座の山野楽器にデモ機があるというので早速試奏して
きました。


デモ機は73keysのスタンダードタイプ。つまり昔のステージで
す。コントロールはパッシブのボリュームとトーンのみ。
つないであるモニターがややしょぼかったのが残念でしたが、
第一印象は「あー、変ってないや」でした。何か現代流にアレン
ジしてあるのかと思ったら、このSモデルはまさに昔のあのロー
ズそのもの。こもる中音域も、ばたつく鍵盤も、StageMk2に似
ています。
アクティブタイプのプリアンプに通すと、ちょっとコンプ感が加わ
り洗練加減が増すのですが、Sタイプは生そのものというか、均
一に鳴らすのさえトレーニングを必要とする楽器であったことを
思い出しました。
本物を弾くとデジピのローズの音というのが、いかに加工され
た音であるかを痛感しますなぁ。


外観は今風になりましたが、ふたを開けるとご覧の通り昔のローズと同じです。
Aタイプのプリアンプがどのぐらいリファインされているかも興味
のあるところです。

山野楽器のRhodesのサイト

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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