■I'm
Downの9thと日本語アビーロード
先日、久しぶりにFM東京の「サンデーソングブック」を聞いていると、ビートルズが流れたのですよ。
曲は'I'm Down'だったのですが、そこでパーソナリティの山下達郎さんが「この曲の頭はナインス始まりで・・」と
言ったのですな。え?そうだったっけと聞いてみると、確かにキーGのこの曲、メロはナインスのAから入ってい
たのです。しかも、頭の一小節はほとんどそのナインスの連続という作り。わたしはずっとその半音上のA♯、つまりブルーノートから入っていると思っていたのですよ。
なるほど、この曲は聞くたびになんか不思議な感じがしていて、普通のロックではないなと感じていたのですが、
このナインス始まりのせいだったということに初めて気がつきました。しかし、ビートルズの中ではアバンギャルド
な作風はジョンの得意分野だと言われていますが、なかなかどうしてポールもぶっとんでいるではありませんか。
もうひとつビートルズの話。半年前ですが、テレビの「音楽寅さん」という番組で桑田佳祐さんがアビーロードのほぼ全曲に日本語の詞をつけてやった時のこと。
細かい音色やフレーズに至る演奏の再現度も、わたしが今まで聞いたビートルズカバーの中でも群を抜いて
いたのですが、ここで終わらないところが桑田さんのすごさ。全曲に政治にかかわるそら耳アワーのような日本
語詞がなんともすばらしかったのですな。
そもそも'Come Together'なんて韻だけ踏んでるような意味のあまりない歌詞ですが、もし日本語だったらこん
な感じなのかなとまで思うほど見事に日本語詞があてはまっていましたな。いや、桑田さんのこのあたりの
ビートルズに対しての愛情とか、ロックでの日本語詞のセンスって本当にすごいなぁ。笑いと深さが同居してる
感じはちょっとほかの人ではできない芸風だと感じました。
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