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Oct 16, 2012 

■バッファは大事

 
ターは最近、全然弾いておりませんが、最新の機器だけはチェックしております。

このままフェードアウトしてしまうのではないかと思っていたklonのケンタウルスはktrという名前で復活するとの
ことです。klonのビルダー、ビル・フィネガンの声明によると、ケンタウルスはあまりにも多くの受注が入ったた
め、人間的な生活ができなくなったので製作をやめたとのこと。そしてktrはケンタと同じ音が出せると断言して
います。ケンタと違う部分で、分かってらっしゃると思ったのが、サイドにトゥルーバイパスとバッファの切り替え
スイッチがついていること。実は、高価なエフェクターと安価なものの決定的な違いというのは、エフェクト本来
の効果と同じぐらいバッファとかドライバーにこだわっていることだと思っています。

ピート・コーニッシュがなぜあれほど高価かといえば、そのあたりの仕組みにお金をかけているからで、ケンタに
しても、ロスのコンプにしても、マエストロのエコープレックスにしても、通しただけで音が良くなるというのは、そ
のバッファの味付けに他なりません。「音が良くなる」というのはエフェクトオフの状態でも元の信号をそのまま
アウトプットしているのではないという点に注目です。コーニッシュやビル・フィネガンがトゥルーバイパスには消
極的で、バッファにこだわるのは後者の方が積極的に音楽的な音色を作ることができると確信しているからなの
でしょう。元々微弱な信号であるエレキギターのアウトプットはシールドを通した瞬間から変質していくわけで、
トゥルーバイパスは最低限その信号を加工するのをやめましょうという考え方、バッファは積極的に加工してい
きましょうという考え方なのだと思います。あ、でも、バッファが入っていれば何でもいいということではなく、バッ
ファの質にも明らかな優劣があることをお忘れなく。

 

 

岸正之ホームページ kishi masayuki on the web


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